特定建設業の許可

特定建設業とは一般建設業と何が違うのですか。

特定建設業

建設工事の最初の発注者から直接工事を請負う者(元請け)が、1件の工事について下請け代金の額が4,000万円(建築工事一式工事にあっては6,000万円)以上となる下請契約を締結して工事を施工する場合は、特定建設業の許可が必要になります。

許可要件

1 建設業に係わる経営業務の管理を適正に行うに足る能力を有すること(令和2年10月法改正)

2 専任技術者を営業所ごとに置いていること

3 誠実性を有していること

4 財産的基盤又は金銭的信用を有していること

5 欠格要件に該当しないこと

1 建設業に係わる経営業務の管理を適正に行うに足る能力を有すること

イ 法人においては、その役員のうち常勤であるものの1人が、個人事業者の場合は、その者又はその支配人のうち1人が次のいずれかに該当しなければなりません。(15条1号抜粋)

(1)許可を受けようとする建設業に関し、5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者(同条1号イ)

(2)建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(経営業務を執行する権限の委任を受け
た者に限る。)(同条1号イ)

(3)建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務の管理責任者を補佐する
業務に従事した経験を有する者(同条1号イ)

ロ 常勤役員等(※)のうち1人が次の(1)(2)のいずれかに該当する者であることに加えて、
(1)建設業に関し、2年以上役員等としての経験を有し、かつ、5年以上役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位
にある者(下記①~③の業務を担当する者に限る。)

(2)5年以上役員等としての経験を有し、かつ、建設業に関し2年以上役員等としての経験を有する者(5年の

役員等経験の内、建設業に関し2年以上の役員等経験)

次の①~③に該当する者を、当該常勤役員等を直接に補佐する者(補佐人)としてそれぞれ置くこと。

①財務管理の業務経験を5年以上有する者
②労務管理の業務経験を5年以上有する者
③業務運営の業務経験を5年以上有する者
※当該補佐人の経験は、補佐人になろうとする建設業を営む者の経験に限る。
※①~③は同一人物でも可。
※常勤役員等とは、法人では 合同会社の業務執行社員、合資会社若しくは合名会社の無限責任社員

ハ 健康保険、厚生年金、雇用保険に適切に加入していること

2 専任技術者を営業所ごとに置いていること

専任技術者については次のいずれかに該当することが必要である。(第15条2号)

① 許可を受けようとする建設業の種類に応じた国土交通大臣が定めた試験に合格した者、又は建設業の種類に応じて国土交通大臣が定めた免許を受けた者

② 7条2号イ、ロ、ハに該当し、かつ、許可を受けようとする建設業に係る建設工事で元請けとして4,500万円以上の工事について2年以上の指導監督的実務経験を有する者

③ 国土交通大臣が①又は②の者と同等以上の能力を有すると認定した者

7条2号参考
イ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、高校の所定学科卒業後5年以上、大学の所定学科卒業後3年の実務経験を有する者
ロ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し10年以上の実務経験を有する者
ハ 上記と同等又はそれ以上の知識、技術、技能を有すると認められた者

指定建設業については①又は③に該当する者に限られます。

指定建設業とは、土木工事業、建設工事業、電気工事業、菅工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業の7業種

3 誠実性を有していること

法人である場合においては当該法人又はその役員等若しくは政令で定める使用人(支店長・営業所長等)が、個人である場合においてはその者又は政令で定める使用人が、請負契約に関して「不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者」でないことが必要です(7条3号)。

不正又は不誠実な行為とは法律に違反するなどの行為です。

4 財産的基盤又は金銭的信用を有していること

申請する直前の決算において、次の3つの要件をすべて満たすことが必要です。

  • 欠損の額が資本金の20%を超えていないこと
  • 流動比率が75%以上であること
  • 資本金が2,000万円以上であり、かつ、自己資本が4,000万円以上であること

5 欠格要件に該当しないこと

「欠格要件に該当しないこと」とは、次のいずれにも該当しないことです。

①  許可申請書又はその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、又は重要な事実の記載が欠けているとき。

②  法人では、その法人の役員等、政令で定める使用人(支店長・営業所長等)が、個人では、その本人又は支配人が、次の要件等に該当しているとき。

1 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

2 精神の機能の障害により建設業を適正に営むに当たって必要な認知、 判断及び意思疎通を適切に行うことができない者(施行規則第8条の2)

3 不正の手段により許可を受けたこと等により、その許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者

4 3に該当するとして聴聞の通知を受け取った後、許可を取り消されることを避けるため廃業の届出をした者で、届出の日から5年を経過しない者

5 建設工事を適正に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき、あるいは危害を及ぼすおそれが大であるとき、又は請負契約に関し不誠実な行為をしたこと等により営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しないもの

6 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

7 建設業法、建築基準法、労働基準法等の建設工事に関する法令のうち政令で定めるもの、若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、又は刑法等の一定の罪を犯し罰金刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

8 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

9 暴力団員等がその事業活動を支配している者